KID

 KID、同い年だったのか・・。ガンの公表からすぐのことだから、ビックリである。ああいうのってある程度の勝算というか、今後の計算がある程度立った時に発表するものだと思っていたけど、KIDの場合はファイトスタイル同様読めない行動だったのかな。そこまで格闘技に精通しているわけじゃないけど、見ていて楽しい選手であったのは間違いない。
 僕がKIDが好きになったのは格闘技の時ではなく、BAZOOKAという番組に出演していた時のこと。その時の特集は「怖い犬特集」で、闘犬などに出場する犬の紹介であった。KIDはピットブルという犬を溺愛していて、それでこの番組のゲストだったのである。ピットブルも獰猛な犬として有名だけど、この番組で紹介されるのはどれも一発で人を殺せるようなドーベルマンとか土佐犬ばかり。割りとニッチな内容だったんだけど、闘犬に出場する土佐犬が出てきた時にKIDは
「そんなに戦うのが好きだったら、飼い主が自分で戦えばいいじゃん」
と言ったんだよね、生放送で笑。スタジオの中は凍り付いていたけど、見ているこっちは何かが腑に落ちて、この人は良い人なんだなあ、と思ったのである。まあ、よく考えればあの中で生物として一番強いのはKIDだろうから、誰も文句を言えなかったんだろね。タトゥーだらけのあの外見だから、けんかっ早そうだし怖そうだけど、案外優しい人だったんじゃないかと。