シン・エヴァンゲリオン劇場版

シン・エヴァンゲリオン劇場版の新作が2020年に公開される、との特報映像が今劇場で流れているらしい。エヴァンゲリオンの新作を作りたくなくてゴジラを作ったんだろうなあ、なんて思っていからもう新作はないんじゃないか?との予想もあったけど、いよいよ95年から始まったシリーズに終止符が打たれることになる。95年だから、もうファンは僕と同じかもっと上のいいおっさんばかりだろうなあ。若い人は知っているのだろうか。もうここまで来たらどんなオチをつけても満足する人なんて少数に決まっているんだから、監督が望む作品であればいいんじゃないか?と思う。僕も一時の熱はもう持ち合わせていないけど、やっぱり見たい気持ちはあるので最後まで付き合おうかと思う。まあ、2020年公開と正式に発表されているということは、2020年には公開されないってことなので、2021・2022年ぐらいだろうなあ。

万引き家族

 話題になっているし、実際に面白そうだからすごく観たいと思っているんだけど、心に来すぎてしまうんじゃないか、とちょっとビビっている。
 少し前に「ライオン」という映画を観た。迷子になり、オーストラリアで里子にもらわれたインドの子供がグーグルアースで実家を探しだすという実話である。この子は貧乏な家庭だから、5歳ぐらいなんだけど働かないといけなくて、都会で仕事を探すという兄について田舎の村から都会に出ていく。そこが運命の分かれ目になってしまう。巨大な駅で兄とはぐれてしまい、4-5歳だから自分の村の名前も言えなくて、誰にも助けてもらえずに
ストリートチルドレン→あわや人身売買→道で拾われて施設→オーストラリア
という道を辿ることになる。兄とはぐれた時点でもう家には戻れないんだよね・・。この時点ですでに心に来る僕・・。唯一の頼りであった兄とはぐれてしまった4歳の子供の内心を想像し、責任を感じながらいつまでも弟を探しているであろう兄の心のうちを想像し、出ていった二人の案ずる母親・・。もうこの時点で(全然冒頭なんだけど)心のシャッターを下ろしたね。笑
 万引き家族にもきっと同じような心に悪そうなシーンがたくさんありそうで怖いんだよね。「ライオン」は自分の部屋で観たからいいけど、劇場で心のシャッターを下ろすのは難しそうだしなあ・・。同じ監督の「誰もしらない」は親になる前の映画で良かったわ。

COBRA KAI

「ベスト・キッド」の続編ドラマである「COBRA KAI」が最高に面白い。映画の続編がドラマ、っていうのも新しいし、youtubeのオリジナルドラマであることも今までないパターンである。しかも内容がベスト・キッドとなれば、僕の世代のオジさん達の心を鷲掴みにするのに決まっている。今1話と2話が無料で公開されていて、それ以降の8話が1つ300円で販売されている。

もう一つ面白いのは、悪役であり前作で主人公のダニエルさんに負けたジョニーが主人公なのである。彼はあの頃の思い出に縛られ、今だにどん底の生活を送っているのだが、一念発起、コブラ会を復活させるのである・・。そこに車のディーラーとして大成功を収めているダニエルさんや、互いの家族が絡んできて・・、というストーリーである。ベスト・キッドを見て修行や例のキックの真似をしたことのある人は必見です。

ウエストワールド

今アマゾンプライムでウエストワールドを見れるんだよね。子供の頃にユル・ブリンナー主演の「ウエストワールド」を観た人っていると思うけど、あの世界観のドラマである。
ホストと呼ばれるアンドロイド達が再現された西部劇の街並みに暮らし、高額の入場料を払ったゲストたちは、ホストからの報復を恐れることなく自らの欲望のままに行動する。アンドロイド達は人間と見分けがつかないほど高度な技術に基づいて製造され、自意識も持つ。だがゲストが来るたびに記憶はリセットされ、新たなシナリオに基づいて日常を繰り返す。
というのが、一応のあらすじ。いわば大人のディズニーランドみたいなものなんだけど、欲望がままに動く人間たちはことごとくクズになっていく所が面白い。

このドラマはHBO制作で、日本でいう放送コードに縛られないというのが一つの売りで、結構有名な人たちが堂々と素っ裸で出てくるんだよね。情報が広がった頃からここら辺が話題になっていて、日本での放送はどうなるんだ!と思ったけど、バッチリモザイクがかかっていた・・。場面によっては全部がモザイクで何も見えない!というシーンもあるぐらいで、非常に残念であった。

ドラマ的には人間とアンドロイドの差を説く攻殻機動隊的な所もあったり、生命とは何かを問う場面もあって、この先の展開が楽しみだ。

コヴェナント

「エイリアン コヴェナント」を鑑賞。前作である「プロメテウス」と同じで、僕はすごく好きだけど人には勧められない、そんな一本であった。今回は「人類の起源を探る」部分がメインで、エイリアンとの戦いはおまけ程度で付いているという感じ。正直エイリアンとのあれこれは今まで何度も見てきたこともありこのパターンの方が嬉しいのだが、エイリアンファンからしてはこういう見せ場が必要らしい。「エイリアン」という単語がタイトルについてるとついてないでは客の入りが全く違うんだよね。そして、冠を掲げたからにはちゃんとエイリアンの活躍場面を提供しないといけないわけで、そこら辺もちゃんと抑えてある。

今回は創造主と作られた方の関係がメイン。作られた方から見ればは創造主の存在はわかるんだけど、じゃあ創造主を作ったのは誰なんだ?という問いが生まれる。監督のリドリー・スコットってもう70過ぎてるんだけど、エイリアンシリーズやブレードランナーではこの「創造主との関係」が常にテーマとして流れている。やっぱりそれだけの長生きともなればそういう根源的な疑問にぶち当たるのだろうかあ・・。すでに続編が決まっているけど、もうここまで来たら監督の年齢との戦いになりそう。とりあえず決着がつくところまでは頑張ってほしい・・。

SW

今我が家でスター・ウォーズ旋風が巻き起こっている。最新作である「最後のジェダイ」を観てからDVDで4,5,6,1,2,3と続け様に鑑賞。レゴのBB8も完成したこともあって、スター・ウォーズ一色である。子供もキャラの名前をことごとく覚え、テーマ曲を歌いながらテレビや雑誌で見かけては夢中になっている。
今回の「最後のジェダイ」で今まで続いてきた物語に一つの区切りがつけれていて、ずっと観てきた僕個人としてはやや寂しい気持ちである。ディズニーの所有物になったスター・ウォーズはこれからも半永久的に公開はされていくけど、スカイウォーカー家の物語はここで終わりとなりそうだ。鑑賞を終えた直後に気づいたのは「あ、おれルーク好きだったんだ・・・」という気持ちである。自覚をしていなかったみたいなんだよね笑。見終わってから得体の知れない寂しさに襲われ、自分の心の中での原因を探ったところ、あ、ルークが好きだったのかあ、ということに落ち着いた。全シリーズを見直して自分の中での新しい評価も生まれて、DVDボックスを買わねば、とちょっと思っている。グッズとかもちょっと欲しいんだよね。笑。

インディアナ

  フジが土曜日の夜に続けて「インディ・ジョーンズ」シリーズをかけている。4週連続の企画で、今週の土曜日が最後の「クリスタル・スカル」になる。なんでこのタイミング?と思うんだけど、おそらく新作の5の作成が決定したからか?それともハリソン・フォードつながりでブレードランナーの新作が上映されているからか?で、先週は「最後の聖戦」だった。ナチスと聖杯を奪い合うストーリーで、もう何度も見ているけど、やっぱり面白いよなあ、と毎回毎回思う。僕の最も好きなシーンは、インディが戦車の上でナチスの兵士と格闘をしているんだけど、そのまま戦車ごと崖に落ちるシーン。みんなインディが死んだ・・と慟哭しながら崖下を覗くんだけど、実はぎりぎりで飛び出し助かっていたインディも、「みんな何を見ているのかな?」と自身も崖下を覗くシーンである。毎回毎回本当に笑う。あと、いろんな映画でもそうだけど、地図が出てきてそこに赤い線を引くことで移動している様を表現するあの映像もいいよね。これから知らない所に移動して、みたこともない風景が広がっているのかも!と子供心にワクワクしたものである。
 で、この「最後の聖戦」で少年時代のインディとして、今は亡きリバー・フェニックスが出演している。なんていえばいいのか、力強くもさわやかな若々しさと、もうこの世の存在ではないという事実がその姿に特別な輝きを持たせている。もう切なくなるぐらいに最高にカッコいいんだよね・・・。見ながら、あの時のリバー・フェニックスの髪型に憧れたことを思い出した。あれだけ顔が良ければなんでも似合うと思うんだけど、あの長い髪を帽子の中に収める仕草も良くて、真似したかったものである。特別な年代の特別な時期にしか持ちえない輝きなのかな、ああいうのって。それがフィルムに残っているのだから、幸福なのやら残酷なのやら、である。

この世界の片隅に

夏になると日テレで必ず放送される「蛍の墓」が嫌いな僕である。何度か見ているけど、そのたびに嫌な気分になることもあって、もう何年も見ていない。が、僕の思いとは別に、この映画は夏の風物詩になり決まって放送されている。あの時期にこういった題材を流すのはいい面もあるんだろうけど、それにしてもずっと同じ映画を流すのは芸がないんじゃないか?そろそろ次の作品があるんじゃないか?と思っていた所にこの「この世界~」を知った。「この世界~」はクラウドファンディングで作られた映画であり、テレビ局主導ではない。そのため、どこかのチャンネルが流したいのであれば放映料を払えばいいだけのこと。この先に4チャン「蛍の墓」、違うチャンネルで「この世界~」が同時に放映されることがあるかも知れない。

そうなったらいいなあ、なんて思いながら「この世界~」を鑑賞したんだけど、完全に僕が甘かった・・・。「この世界~」はたしかに最高に面白く最高に可愛らしい作品なんだけど、同時に残酷であり見ていてつらい作品でもある。

戦時中の人々の生活を描いているという説明が多いよね。たしかに当時の生活は大変。水は汲んでこないといけないし、料理を作る時は火を起こすことから始まる。火の強さも薪の量で調整しないといけない。洗濯はもちろん、手作業。服を作ることだってすべて自分でやるのだ。もう、生きているだけで忙しいんだよね。それが丁寧に描かれていく。そして綿密に想像させられるからこそ、当時の人立が「なにを失ったか」がこっちも良く想像でき、それがとてもつらい・・。僕は今まで本当にたくさんの映画を見てきたけど、二回目の視聴がおっくうだったのはそう何回もない。

馬鹿みたいだけど、見終わってから二回ともすぐに息子の寝顔を見に行ってしまった。寝息を確認して(笑)、本当に「少なくともこいつが生きている間は平和であって欲しい」と思った。具体的なことはなくとも、きな臭い空気が流れている今である。その空気が日常を脅かさないことを切に願う。この映画を見ると感じるけど、変化ってちょっとずつ来て突然始まるんだよね・・。

英雄譚

この前「ダンケルク」を鑑賞した。こういう、オラが国の国民は皆、国のために戦った、的な映画っていいよね。このダンケルクの場合は一般人自分の船に兵士を乗せて逃した実話だから、それを思うとイギリス人じゃないこっちも胸が熱くなってくるんだよね。

見終わって思ったのは、なんで第二次の時の日本軍の英雄譚はないのだろうか、ということ。硫黄島とか、沖縄の戦いでの日本軍を称える映画ってあるのはあるんだけど、どれもハリウッド作品である。日本人が描いた、戦争の英雄譚はないのか。僕が知らないだけでもしかしたらあるのかも知れないけどね。

まあ、単純に言うと作りにくいのだろう。そういう映画を作ることは戦争を肯定することになる!日本の軍事化につながる!という事を突っ込む人たちがいるのだろう。一種のタブーなのかも知れない。が、これを観たイギリス人の高揚感や誇りを感じる、その気持ちを想像するととても羨ましくなる・・。。

このダンケルクも戦争の映画でありながら、実は戦いの場面はほとんどなく、ひたすら逃げ惑う映画である。敵の顔もほぼ映らない。そしてハッキリと生き延びることが大事であることをうたっている。こういうやりかななりありだと思うけど、やっぱり難しいかな。

記憶の片隅に

 遅ればせながら「君の名は。」を鑑賞。新海誠の作品は全部観てきたけど、「メジャーヒットのために作家性を捨てた」みたいな評論を読んだこともあって、見るのがちょっと怖かった。が、大ヒットに納得の出来る完成度で満足である。特に今回のメインのテーマになっている「記憶」について考えさせられた。
 どんなに強烈な体験でもいずれ薄れていくのと同じように、どんなに大事な思い出もやがては消えていく。その残酷さというか、切なさを思いださせてくれるのがこの映画だよね。昔の写真を見るとその時の事を思い出す事は出来るけど、当時の気持ちや空気を思い出すことは難しい。さらに、その時の後に重ねた記憶もたくさんあるわけで、それらを通してのその時だから、もうその時の心の再現は不可能なんだよね、良くも悪くも・・・。この映画ではもう一歩踏みこんでいて、「ずっと何かを思いだせそうだけど、忘れているから思い出すことが出来ない」という感情と「いっそう忘れたいけど、何を忘れたいか思い出せない」というところもまで行っている。そう思うと、なんとなく中高生・若者向けな映画という気もするけどそんなことはなく、僕みたいな中年でも全然観れる内容である。気になっている人は見た方がいいかも。