ドカベン香川

日本代表のスタンドに時々「ドカベン香川」という垂れ幕が映ることがあるけど、あの元ネタは今回亡くなった香川信行のことである(というか、本当は水島新司のドカベンだね)。あの垂れ幕を見て若いファンは何のこと?と思ったと思う。分かる人はオーバー40に違いないはずである。

僕が野球をやっていた頃は、信じられないほどにパ・リーグの露出も情報も少なかった。それでも香川選手の姿はしっかり地球の裏側まで届いていた。あの体で良くスイングが出来るなあ、と映像を見ながら思ったものである。香川選手は100キロ以上あったか走ることは出来ないし、肩も弱いから守備も出来ず、打つことだけが天才的な選手だったんだけど、その姿からは良くイジられる選手でもあった。エピソードと言えば、試合中にスタンドの客から肉まんをもらってベンチで食べたとか、ブーマーとハイタッチをしたら肩を脱臼して残りのシーズンを棒に振ったとか、そんなのばかりだったしね。外野にヒットを打ってもファーストで刺されるんじゃないかと心配だったしね。

当時の野球選手、特にパ・リーグの選手たちは今と選手たちと全然感じがちがくて、なんていうか、全然アスリートじゃなかったんだよね。試合前のウォーミングアップで酒を抜いたり、タバコを消してそのままマウンドに上がったりとか、スポーツ選手ではない「野球選手」というイメージだったんだよね。特に乱闘での場面では、「あ、この人普通の人じゃないんだ・・」と子供心に怖かったりもした。走れない、守れない、でに打つことだけは他に負けない香川選手はまさにそういう存在で、「格好悪いのにカッコいい」選手の一人だった。

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