美しさってなんなのさ

 いつかのアンビリバボーで、40%のやけどを乗り越え、美人コンテストに出場した女性の話をしていた。不運な事故で全身にやけどを負った彼女は幾多の手術とセラピーを得て、社会復帰を果たす。その後、火傷に苦しむ人を支える活動をはじめ同じ境遇に苦しむ人達を支えるのだが、自分自身は人前に傷跡をさらすことが出来ずにいた。それじゃイカンということで、彼女はビューティーコンテストに出場することを決意する。それは今も火傷に苦しむ人達を支えるため、そして自らの弱さを克服するための決断であった。
 ここからは再現ドラマではなく、本当の映像も流れ始める。傷跡を隠すことなく堂々と歩くこの女性の姿は威厳にあふれ、表情に何かを乗り越えた人々だけが持つ自信にあふれていた。確かに格好いいのだ。大事故を乗り越えた上にそれを克服し、さらに人のために行動しながら自らの弱さに立ち向かう姿。誰にでも出来ることではない。良いドラマだったらここで終わるんだけど、なんとこの人、優勝して州代表になるんだよね。それだけでなく、そのまま世界大会に出てそこでも優勝してミセスインターナショナルになってしまうのである。美しさだけでなく、社会的な活動やその姿勢が評価されたのである。僕は見ながら、一瞬感動しそうになったけど、それって美しさか?とちょっと冷めてしまったのだ。
 たしかに彼女はすごい人である。尊い目標のために、自分の一番見られたくない傷跡を人前にさらしたのは素晴らしいことである。きっと内面的にいい人なのだろう。が、ここで問題になるのは
内面の美しさ=外見の美しさ
であるかって事、そして
ビューティーコンテストで何を競っているのか
ってことである。

 美しさとは何なのか。性格の悪い絶世の美女、性格のいい普通の女性。良くある対比だけど、ビューティー・コンテストという場では「中身は問わない」とした方がフェアなんじゃないか?となんとなく思っちゃったんだよね・・。内面が表情や顔に出ることはもちろんあるんだろうけど、美しさだって一つの才能のはずなんだよね。それだけを純粋に評価しない事は不公平な気がするのだ。

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