マイ・インターン

 侮っていたけど、「マイ・インターン」もすごく良かった。アン・ハサウェイが経営する会社に見習い社員としてデ・ニーロがやってくるという、ジェネレーション・ギャップコメディである。いつアンが脱ぐのか、いつデ・ニーロが狂気の眼差しで全員を殺しだしていくのか、ドキドキして待っていたけどどちらも起こることなく、さわやかな後味のいい一本だった。
 男の目線として、デ・ニーロのたたずまいに目が行ってしまう。常にスーツにネクタイでキメ、バッグはヴィンテージもの、その中に入っている小物も味があって、それらを綺麗に並べている。ポケットにはもちろんハンカチが入っている。つまり、男なら誰もが憧れる「紳士」なんだよね。若いスタッフが多い中、デ・ニーロは持ち前の経験を活かして皆に慕われていく。そこには齢を重ねてきた男としての武器があり、魅力があるんだよね。
 この映画はではシニアとしての利点は描かれているが、悪い点が全く描かれていないのが引っかかる人もいるかもしれない。体も悪くないし、頭も固くない。ツイッターやフェイスブックだってその利点を受け入れ挑戦している。これはもう、スーパーマンだよね。誰もが一度が思う「頭はこのままで子供時代に戻れたらどうする?」的な存在なんだよね。そこはズルいが、自分もそうなれるんじゃないか?という希望を残すために信じておくことにする笑。
 僕が一番うらやましく思ったのは、すべて整理されている所である。家、鞄の中、デスク。というか、生活・人生自体が整理されているんだよね。そこには「奥さんを失くした」という「悲しさ」も含まれていて、それも一つの魅力につながっている。ここの所ハリウッドではずっと、「いつまでも若い」というのが流行りだったけど、これで少し変わるのかもしれない。

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