人としてどう思うか

 広島のニュースを見て、ゲバラのことを思いだした。キューバ革命を実現させたあと、ゲバラは貿易のために日本に来ている。そして、日本政府から反対されていた広島訪問を実現すべく、ホテルを抜け出し秘密裏に広島を目指した。全くの一般人として原爆資料館を見たゲバラは
「ひどいね。日本人はアメリカに対して怒らないのか。」
「これからは広島を広島の人を愛していこう」
と言ったという。

 今回のオバマさんの広島訪問のニュースを見ながら、広島の人たち、特に被爆者はアメリカは憎くないのか?と考えてしまった。長い時間が経っているしオバマは当事者ではないけど、人間の黒い気持ち程消えにくいものはない。なかには石の一つでも投げてやろう、と思う人がいても納得できる。こればかりは当事者でないと分からない所ではあるが、大陸の人たちがするように、声高に「謝れ!謝れ!」と連呼しないことに品格を感じた。そして前にも書いたように、大統領としてではなく、一人の人間としてどう感じたか、の方が大切なのではとやはり思う。

キューバの子供に
「8月6日と8月9日って何の日?」
と聞くと、みんな
「アメリカが広島と長崎に原爆を落とした日」
と答えるのだそうだ。中学2年の教科書に載っているらしいんだよね。限りなく一般人として広島を訪れたゲバラがあの日に見たものを持って帰って形にしたのである。オバマは何を持ち帰り、どう繋ぐか、楽しみである。

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