履き心地

去年ぐらいからスニーカーの中で一気に増えてきたのが、ニット素材を使ったスニーカーである。おそらくNIKEがニット素材で陸上競技シューズを作ったことがスタートだと思うんだけど、今ではサッカースパイクにもタウンユースのスニーカーにも使われている。あのADIDASさえもニット素材を開発していて、一大ニットブームなのである。とにかく軽く、貼合わせや縫い合わせがない一枚もののため、履き心地もいい。通気性もばっちりで、柔軟性もある。キャンパス生地やレザーでは絶対に叶わないフィット感を実現することが可能なのだ。またニットは編み方を変えることでその柔軟性も部分部分で変えることが出来るから、究極的な素材と言えるのだ。でも一番のポイントは「ハイテクスニーカーなのに、ハイテクっぽくない」ところだよね。ニットを編み込むなんて、言ってみれば洋服と同じだから、昔からずっとあった技術である。スニーカーのハイテク化はソールに一番軽いものである「空気」を封じ込めたり、糸による摩擦を軽減するたえに熱圧着シールにしたり、ありとあらゆる素材や知恵を振り絞って進化してきたけど、それが一周して「セーターと同じように編むのが一番いい」というその回帰現象が面白い。

僕も最近NIKE AIR PRESTO ULTRA FLYKNITを履いているのですが、スニーカーも来るところまで来たな、という感じがしている。素足感覚を目指すとか、ストレスフリーを目指すとか、今までの方向性を変え、スニーカーを履くことの気持ち良さみたいなものを追求・実現している気がする。進化だけが全てじゃないのがスニーカーの面白いところだけど、これ以上の進化はあるのかどうか、楽しみだ。

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