半ばを過ぎて

若い頃は「日常」という言葉が怖かった。その時に思い描いていた日常というのは、
「会社に行って家に帰って喰って風呂に入って寝る」
というサイクルで、多くの人はそれを繰り返してやがて死んでいくんだ、と思っていた。それは日々がコピーのコピーの、さらにコピーをとった書類のように味気ないものなんじゃないか?!、というハッキリとした恐怖であった。ガキの僕にとって人生70-80年というのは永遠よりちょっとだけ短いものに感じられただけに、そんなに長い時間、同じ事を繰り返して平気でいられるハズがない。どうなる?俺?!みたいな感じだったのである。大事じゃない一日なんてないし、昨日と同じ一日なんてない、というJPOPの歌詞にありそうなフレーズは欺瞞以外の何者でもなかったんだよね。途中から、平穏な日々が続くのはいい方で、嫌なことや苦しいことだってたくさんあるんだから、という事に気づくんだけどとにかくまあ、ガキにとって想像も出来ない長い時間というのは怖いものだったのだ。

 本日、また1年を重ねた私はおそらく人生の折り返し地点にいると思う。多分、半分使っちゃったのだと思う。そういう自覚や予感があるわけではないけど、おそらくそうなのだろう。ガキの頃にビビッていたあの日常の半分をすでに消費してきたわけだ。だからといって特別は感慨や想いがあるわけではないが、
・もう半分?まだまだ色んなことやりたりないよ?
・まだ半分?結構やってきたつもりだけど
が同居している笑。そしてこれはきっといつになっても変わらないであろう事もわかっている。やっぱり、どうなる、俺!?なんだよね。

 それにしても、「後半分しかないよ」というパンチラインは破壊力抜群だよね。普通だったら焦って頑張っちゃって逆にペースを崩すんだろうけど、今のところは大丈夫そう。笑。まあ、歳を重ねることに対する不安は数字とは関係ないことを知っているからね。いつか体が思うように動かなくなったり、色んな物事に対する興味を失うときが来るかもしれないがそれは今ではないし、いつ来るか心配しても意味がない。これからも日常ドンと来い!だ。

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