最大多数の最大幸福

 政治経験のないおじさんが世界で一番高い椅子に座るなんて、本宮ひろ志でも書かないよなあ。すごいなと思うのは、
「とにかく今の状態が嫌で変化がほしい。例えすべてがダメになってもそれでも今よりはいい」
という覚悟に似たやけくそ感とでもいうのかな。アメリカってそこまで追い込まれていたのか。それとも、それほどにヒラリーが嫌われているのかな。

 なんとなく残念に思うのは、接戦の末にアメリカが分断されたこの感覚である。民主主義において国が真っ二つになるのはなんとなく嫌な気がするよね。これはイギリスがEUから離れる選挙の時に感じたものと同じで、国の一体感というかまとまりというか、意見が真っ二つ過ぎて、どっちに転んだとしても納得できない層が大きいと、それでいいのだろうか?という不安である。51%が喜んでいても49%が不幸とあっては、民主主義が機能しているとは言えないし、49%が納得できない政府ってアリなのか?ということである。でも、既得権益や今までの凝り固まった権威が崩れていく快感があるのは否めない。気持ちいいよね。「変化」の響きは甘いけど、いい変化とは決まっていない。自民党に愛想をつかし民主が政権を取ったときのことを思い出す。ダメと思って変化を行ったのに、そっちのが方がダメだった的な、ね。
 今この瞬間にもニュース番組でいろんな人たちが選挙の成り行きやこれからのことを解説してくれているけど、こいつらみんな予想を外していることを思うと、どう聞けばいいのか、実に難しい。笑