やるせない

 銀行のATMに、長い皮財布を発見。が、休日のためか、ATM横の電話をならしても誰もでないし、スタッフが出入りするドアのチャイムを鳴らしても無反応。しかたなく交番に届けることに。警察に行って、書類を書く度に珍しい名前ですね~から始まり、実は中央署に同じ名前の刑事がいるんですよ~、という話を毎回される。今回も言われるところを
「中央署の刑事のことですよね。お会いしたことはないですけど、話は良くききますよ」
とくい気味に言ってしまった。
 しかたのないことだけど、警察で書類を作るのって毎回面倒である。事実関係を整理してわかりやすくするのが書類作成。いちいち全ての物事を確認しながら書いていくので、時間がかかるのは仕方のないことではあるんだけどね。こっちも余計なことを言って余分な書き項目を増やさないように気をつけてしまう・・。社会的責任を果たすのは、いつだって楽なことでない。
 待ち時間に交番の壁に貼ってある掲示物を見ていたんだけど、気になった行方不明者のポスターが一枚あった。最近、そういうニュースをTVでやっているから、
「良くあることなんだ」
と一瞬思ったけど、読み進めたら
「何月何日に○○の海で波にさらわれ行方不明」
と書いてあった。中学生だったんだよね・・、これが。その下にはサッカーに講じる本人の写真と、彼が履いている靴と着ているウェアの写真があった。僕は素人で良くわからないけど、波にさらわれたら行方不明扱いになるんだ、と思ったのとともに
「波にさらわれて出てこないってことは・・」
と思ってしまった。おそらくあのポスターは最後の希望のひとつで、彼を愛する人たちが藁にもすがる思いで作ったのだろう。なんとも複雑な想いを抱きました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。