ブドウ

 義理の母の方で不幸が。縁があって家族と呼ばれるようになってからの時間も短く、その中でも会った回数は両手で数えらえるぐらいなんだけど、心の中にちょっとした寂しさを感じてる。
 うちの先生が2歳になりたてぐらいの時にご自宅にお邪魔をさせてもらった時かな、ブドウを出してくれたんだよね。当時はまだうちの先生に甘いものはあまり与えていなくて、その時はもちろんブドウも食べたことがなかったんだけど、せっかく頂いたものだからと食べさせたら、これがいたく気に入ってしまった。世の中にこんな美味しいものがあったのか!とパクパクと食べ続け、気づいたら目の前に皮の山が出来ていた。それからはことあるごとブドウを食べたがるし、スーパーで見ても買いたがるし、食卓に出てくると途端に笑顔になる。
 今年の初めになくなった仕事上で付き合いのあった社長もそうだし、今回のおじさんもそうだし、人との関係の濃さは時間の長さで測るものではないのかな、とこの歳になって思う。じゃあ何で測るのが正しいのか、正直わからないんだけど、してもらった事や食べさせてくれた飯は忘れないもんだな、と単純に感じている。少なくとも先生がブドウを食べる度に顔を思い出すことだろう。
 
 

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