美女

僕がノギワヨウコさんを認識した時はすでにおばあちゃんだったから亡くなることに関しては驚きはないのだが、亡くなった時もおそらく僕が初めて見たときと同じ姿なんだよね。なので、おそらく20年もの間ずっと同じ外見だったんじゃないか?と今気づいた。正真正銘の美女、だったのか、と思った。

今でこそ美醜のスケールって画一的になり、かわいい子が多いなあと思うのとともに、とんでもなく個性的な顔の人って少なくなったなあと思ったりするんだけど、それは今のこの時代のものであって、ノギワヨウコさんの時代「美女」の希少価値ってとても高いと思うんだよね。誰もが生きるのに精いっぱいの時代と今では美しくあることの意味はまったく違う。それがアナウンサーになり女優になり、パリ帰りの女になるんだからも高値も高嶺の花である。多くの人が冬彦さんのお母さん役のイメージのようだが、僕はもっぱら「ダブルキッチン」である。まだ見ぬ「二世帯住宅」と「姑問題」という、いつかは自分に順番が来る問題か?とビビされたものだ。