ホラー

 今度、クロエ・モレッツ主演で、「キャリー」という映画がリメイクされる。「キャリー」はいじめられっ子の女学生が超能力に目覚め、その能力を使って今までいじめてきた人たちをやっつけまくるという映画である。やっつけまくる、というと簡単な表現だけど、プロムが行われている体育館の中が血の海に変わるぐらいに、無差別に惨殺していく。76年の映画だけど、それでもエグい表現が多いのが特徴である。
 
 映画には「ホラー」というジャンルがある。ご存知、モンスターや幽霊や呪いや血糊がドワーッと出てくる愉快なジャンルである。愉快というと語弊があるけど、良く考えたら夕方のニュースの救いのなさの方が怖かったりする。凄惨なニュースがあると、「やっぱり映画の中のほうが平和だな」と思うんだよね。
 一番の恐怖はきっと、日常と地続きに非日常が存在する、ってことである。一皮向けばそこに、生きている間に絶対に出会いたくない誰か、何かがある可能性がある。角を曲がったら、いつもと違う行動をとったら、何がどう転ぶか予想はつかない。ニュースの中ででの出来事は常に遠くに感じがれるけど、間違いなく現実に起きているもの。どんなホラー映画よりも、この事実のほうが怖い。ってことを「キャリー」のCMを見ながら思ったのである。