この前「シング・ストリート 未来へのうた」という映画を見た。これが大傑作で今も毎日考えるぐらいに心に残っていて、サントラも買ってしまったぐらいである。80年代のアイルランドで、好きな女の子の気を引くためにサエない男の子がバンドを組んで、音楽の世界に没頭していくという内容なんだけど、音楽をテーマにしていうるだけあって80年代に流行った音楽が次々と流れていく。彼らはそれらにイチイチ影響されて次々とファッションや作っている曲の曲調が変わっていく所が面白いのだが、それでも自分の思いを表現して昇華させていく様子があまりにも良く、泣きそうになるのを何度も何度も我慢したぐらいである。
僕の80年代は4歳から14歳までだから、登場人物たちよりは一つ下の世代であることもあり、実は知らない曲が多い。また、彼らはアイルランドだから一番近いシーンはUKロックであることもあるのかな。僕の80年代音楽はマイケルだから、82年の「スリラー」と87年「バッド」なんだよね。MTVがすでにあって世代、とでも言うのかな。なので、彼らの気持ちをリアルタイムで想像できずに非常に悔しいのである。彼らと同世代で同じ時代を生きた人だったらおそらくもっともっと感情移入できたと思うんだよね・・。
で、ここからなんだけど、その世代の人たちが懐かしそうに思い返す「80年代」ってなんなのか、イマイチ理解できていない事が引っかかるのである。とにかく悪く言うんだよね。
・ダサかった
・思い返すと恥ずかしい
・音楽が商業化し、ダメになった
とボロクソにいうんだけど、決まって笑顔なのである。愛おしい何かを思い返すかのような、そんな表情なんだよね。大人が青春時代を思い返すときは皆そうだとは思うんだけど、違う何かを感じる。アレはなんなんだろう?それほど80年代は特別なのか?僕が「トップガン」とか、「ロボコップ」とか、「ランボー2」とか、「ゴーストバスターズ」に感じる
「今みると確かにダサいけど俺は好き」
と同じような気持なのかなあ。