美しさは細部に宿る

 いつだったか、TVで素人の歌勝ち抜き大会みたいなのをテレビでやっていて、ついつい見てしまった。素人が歌うのをプロの先生たちが評価して、それで5週連続勝ち抜けたらメジャーデビュー出来る、という内容だったと思う。毎週毎週新しい挑戦者が現れて、それと戦って、って感じだったかな。
 見どころはその素人の人の歌と、その後に下される評価。みんな歌に自信のある人たちだから当たり前に上手く、しかもすべてをかけて歌うものだから心に訴えかけるものがあって、毎回毎回すごいなあと思うんだけど、それでも審査員に結構ひどいことを言われたりする。呼吸等の技術的なことから、気持ちの入れ方とか、歌詞に対する姿勢までもを注意されていて「普通に上手いんだけどな・・」と、素人のこっちは思ったりした。中には歌詞を読んだときにどう思ったか、みたいな注意をされている人がいた。なるほど、そういう所まで突き詰めて作ったものを発表しているんだ、すごいなあと思ったけど同時に「そのこだわり、あんまりこっちに伝わっていないよね・・」と感じたのである。こっちが音楽に明るくないというのが大前提にあるけど、これって多くの創作物にいえることだよね。
 僕もサイトを作ったり、Tシャツをデザインするときに、誰もみない、気づかないであろう個所に時間をかけてしまうところがある。こんなとこ、誰も気づかないだろうなあと思いながら。僕のは趣味だから自己満足の世界だけど、プロともなるとそれが仕事なわけだからこだわるのが当たり前なのか知れない。変な話、気づく人が一人でもいればそうせざるを得ないのだろう。その圧倒的無駄な努力感にちょっと憧れたりする。きっと気づいてない事ってたくさんあるんだろな。