20年

 地下鉄サリン事件が起きたとき、自分が何をしていたか全く覚えていないなあ、と思ったらもう20年も前のことなのか・・。当時のオウムに対するイメージといえば、朝まで生テレビとかで面白おかしくイジられる存在であった。僕の中では「ムー(雑誌の)」と同じラインにある人たちで、なんていうか、ちょっと面白い存在であったんだよね。世の中もそうだったんじゃないか?とも思う。一つ覚えているのは、麻原が選挙に落ちたときに、オウム側が「不正選挙だ!」と怒ったことがあったんだよね。あのカブリものといい、あのテーマ曲といい、「あいつら本気だったのか!?」とビックリしたことも印象に残っている。決して、テロ行為に走るような人たちには見えなかったし、わざわざ人が多いあの時間帯に、ああいう悪魔に似たような行為にたどり着くなんて、想像も出来なかった。
 20年という節目を迎えた今、オウム事件関連の番組が多い。見ていて気づいたのは、20年かけても事件のことはあんまり解明されていなかった、ということである。当事者たちの内心の動きを描写することである種の解説をする番組が多かったが、それが本当にそうだったのか、事実なのかが良く汲み取れなかった。人の心の動きを描写されても、当時と今では世の中の風もちがうからなあ。昔のことを考えるときに、今の価値観を基準にしてはいけないわけで、どうもそこが引っかかるんだよね。一生懸命調査しているうちに、調べているほうも向こう側になってるじゃん!みたいなね。麻原が生きている間は色々と難しいのかね・・。生きている今だからこそ、だろうけどね、本当は。