初期衝動

競技フットサルといえど、僕らがやっているのは完全なアマチュアの世界であり、趣味である。金を払いさらに大きな怪我をしてもそれに打ち込む僕らをみて、もしかしたら変に思う人もいるだろうけど、恐らくその人は正しい。ただ、時々だけど、全ての苦労が報われさらにお釣りまで頂ける瞬間というのがある。あるんだけど、それを他人に分かりやすく説明するのは難しい。

そんなリーグに毎年のように新しいチームが参戦してくる。最近のチームはみんな若く早くうまく(笑)、脅威である。そしてどのチームも野望に燃えながら、新しいチームが持つわくわく感を漂わせている。チームの理想像を語り合ったり、ユニを決めたり。その時の情熱?ともいうべき気持ちの輝きと言ったらないよね。ところが、案外長続きしないチームも多い。最初こそ勢いよく勝ち上がるんだけどいつしか停滞し、気が付けば人が少なくなり、最後には解散したり吸収されたりする。きっと彼らは目が覚めたんだ、と思う事にしているんだけど、残念に思う気持ちもある。ほとんどが僕らより上手かったり、強かったりするから猶更である。まあ、恐らくこれは普通のこと。人生は「フットサルどころじゃない」瞬間満載なので、ある意味では当然の流れともいえるよね。

それとは逆に、心の中の炎の色がずっと変わらない人もいる。最初に感じた楽しさ、ワクワク感、初期衝動をずっと保ち続けている人である。何人か心当たりがいるよね笑。本人は意識していないんだろうけど、こっちから見れば、「ああこの人は初めてボールを蹴った時のあの熱にやられたままなのか」と思う。僕なんかは初めて蹴ったときはすでにいい大人だったのでその瞬間を今でも覚えているんだけど、きっとこれはチームにも言える事なんじゃないか、と思うのだ。長く続くチーム、短く散るチーム、それぞれ理由はあれど、どうしようもなくこのチームでやりたいと思えるこの気持ちを大事にしたい、と思う今日この頃である。