マニアの夢

 子供のための古本を探してたら、「Doughboy to GI: US Army Clothing and Equipment 1900-1945」という本を見つけた。第一次世界大戦から第二次世界大戦までの、アメリカ軍の装備の解説書である。実は当時のアメリカ軍の装備は有名な企業が作ったりしていて、デザインとが格好良かったり、現代でも通じるものがほとんどなんだよね。銃やマスク、ユニフォームなどの装備だけでなく、ライターとか裁縫道具とか、当時の兵士たちがもっていたちょっとエッチなピンナップみたいなものまで、載っていて、マニアだったら涎が出るんじゃないかという本である。こいつ本当
に好きだな、誠実だなと思ったのはすべての装備の紹介はイラストではなく、全て写真なのである。趣味の対象を網羅するこういう本ってたくさんあるんだけど、どれも写真が見つからずにイラストを載せたりしていて、画竜点睛を欠いているんだよね。この一冊には興味を超えたもはや「愛」が感じられて、そこまでのマニアでなくとも見ていて楽しい。
 なんて思いながら見ていたら、あるページに3490/5000という数字と、作者のサインがあった。おそらくこれ、自費出版の本なのかもしれない。5000部限定で、こいつのは3490なのだろう。これ、こいつの夢だったんだろうなあ、自分のコレクションと知識を一冊の本にまとめ、世に発表することが。読んでいるこっちも幸せな気分になってくるわけだ。ちなみに最後の方のページには「情報もとむ!」というのがあって、装備っぽいものの写真がある。これがなんであるかを知っている人はこちらまで連絡願います、と書いてあってついつい笑ってしまうのとともに、好感をもってしまった笑。でも一番面白いのは、アメリカ軍おたくの作者の国籍がイギリスだってところだな。