テッド ted

ted-movie-poster-2012-1010750719テッド
監督 セス・マクファーレン
出演 マーク・ウォールバーグ、ミラ・クニス、マット・ウォルシュ

ご存知TVでCMをかけまくりのコメディ。命が宿ったテディベアと、そのぬいぐるみと一緒に育ち中年になりながらも成長出来ない男の物語である。R15の期待通り、下品なギャグや下ネタを連発しつつ笑わせてくれた。さらに映画ファンならニャッとしてしまうコネタもちりばめられていて、ある世代の男にはドストライクの一本だろう。車に乗るときに天井の上から乗り込むとか、インディよろしく耳を拾うシーンとか、「アルフ」のくだりとかもね。劇場であんなに人が声を出して笑う映画は珍しい。
と、ここまでただのコメディだけど、実に上手く作られている映画でもある。なにせ、「ぬいぐるみが生きている」という無茶な設定を最初の5分で説明し、その後に客に違和感や疑問を抱かせないように作ってあるからね。ぬいぐるみが風呂に入ったり、ナンパをしてS●Xしたり、コカインを吸うんだけど、「重くならないの?」「どうヤッテるの?」「どう吸ってるの?」と思うのは一瞬で、次の瞬間から「そういうものなんだ」と思わせてくれるのだ。そこの部分が上手く行っているので、後半のドラマ部分にバッチリ感情移入できるのだ。泣かされるほどに。
もう一つ面白いのは、こんな映画なのに人としてのあり方を学べるんだよね。テッドと主人公の関係を通して、友情や責任感、人はどう大人になるのか、人には何が大事なのか。そして主人公の恋人のローリーを通して、人を判断する時にどこを見ればいいのか、どこに魅力があるのかを教えてくれる。こんな映画だけど、それなりにメッセージもあるのだ。
それにしても大人になりきれない人の映画がいつからか多くなっているなあ。この映画を作っているのちょっと上の世代の人のだろうけど、下ネタやおタクな映画ネタを並べて喜んでいるのだから、世界的な傾向なのかな。