後悔のない

 昨晩、愛犬が息を引き取った。腫瘍が見つかった時にはすでに手の打ちようがなく、ある意味ではこの日が来ることは決まっていたけど、実際来るとやはり苦しいものである。14年の生涯は今の平均寿命としては普通なのかな。とにかく苦痛なく逝けたみたいで、何よりの救いである。
 5、6年前かな、この犬種の持病とも呼べる首のヘルニアにかかったことがあって、医者にもう後ろの両足は動かないと宣告されながらも、一本の注射だけで回復しちゃって元気に走り回れるようになったことがあった。またその様な奇跡があり得るんじゃないかと心の中で期待していたけど、現実はそんなに甘くはなかった。

 我が家ではこっちに来たときに、そのときに飼っていた犬との別れを経験したことがあったから、この子を飼う時には全員で話し合い「いつか別れが来る」ということを覚悟した上での行動だった。分かってはいたけど・・、って感じだよね。心のその部分には成長はなく抗体も育たないようだ。
 家を出てから頻繁にはあってなかったし、長男を合わせられなかった事が悔やまれる。今日会ってきたんだけど綺麗な顔と毛並みは全く同じだった。が、目の奥にあるはずの何かが失われていて、なんていうか、やっぱりもう生きてはいないことを名納得させてくれた。生と死の境目がどこにあるなんて僕は知らないけど、そのボーダーラインははっきりと存在している。
 毎回思うけど、こういう別れがあったときに後悔を残さないようにすることは出来るのだろうか。後悔を残さないように今を大事にしないといけない、そんなことは分かっている。分かっているんだけどね・・。今頃になって思い出が次からつぎへと湧き出てきている。悲しいことは悲しいが、それだけではない気持ちもある。それを大事にしたい。