ご冥福をお祈りいたします。

有名人が亡くなる度に思うんだけど、「ご冥福をお祈りいたします」攻撃になるよね、毎回。美談がこれでもか!という感じで出てくるのはいいけど、「私、こんなに悲しんでいます」というアピールがちょっと邪魔である。まあ、求められた結果としてのコメントの羅列だろうけどね。付き合いがあったり、面識がある人ならわかるけど、何の縁もない、あったこともない人物が「ご冥福~」を言ってもちょっとなあ、と思ってしまう。人の足を踏んづけながら前にでて、我先に「ご冥福~」をって言われても、レースじゃないんだから!と思ってしまう。しばらく見ていないDVDをコレクションから引っ張り出して、または借りてきて静かに見る、これが一番いいご冥福の祈り方かな。

ブラック・レイン

135050_01 健さんが亡くなりましたね。最後の最後までプライベートを明かすことなく、余計なことを語ることなく去っていったことがとても「らしい」よね。ショウビズの下界に下りることなく、最後までイメージを保てる映画俳優って、もういないもんね。
皆悲しんでいるし大きなニュースになっていけど、主演の映画を観たことがある人って案外少ないんじゃないか?東映のヤクザ映画を観たことのある人はある世代に固まっているしね。
僕が始めて健さんを認識したのは「ブラック・レイン」の時。マイケル・ダグラスいたっけ?と思うぐらいに松田優作と健さんに食われていて、どっちが主役なのか分からなかったのを覚えている。MP5という当時は珍しかった小型のマシンガンがあるんだけど、それを撃つシーンがあって格好良かった。日本映画でそんなの撃つんだ!とビックリするんだけど、良く考えたらハリウッド映画だったんだよね・・。笑。英語も上手かったし。

ある年代の男性にとって、健さんは憧れの存在。背中で風を切るというのかな、「不器用ですから」のあのCM映像のように、後姿だけで画になるあの感じ?に最高の格好良さを感じるんだよね。ある種の男の理想だったのだろう。また、俳優としての健さんだけでなく、人間としての健さんにも夢を抱いたんだろうなあ。健さんも「高倉健」としての自分を引き受けた感じがって、そこもカッコいいんだよね。

ちなみにブラック・レインの最高にカッコいいところは、英語がペラペラなのにニック刑事を呼ぶときは「ミスター・ニック」ではなく「ニックさん」と呼ぶところである。今頃ニックさんも泣いているぜ。