さよならも言わずに行くのか?

Fast-Furious-7遅ればせながら、「ワイルド・スピード」シリーズのの最新作「スカイ・ミッション」を鑑賞できた。ただでさえ長い間人気を獲得し続けたシリーズである上、主人公の一人であるブライアン事ポール・ウォーカーが自動車事故で亡くなってしまい、遺作であることもあり楽しみだったのだが、その期待に十分答えてくれる一本であった。まあ、ストーリー的にははっきり言って骨董無形で、もはや車が科学的な理論すらをも守っていないけど、そういうところを突っつくのは野暮で詰まらないことだ。ここは単純に素直に楽しむのが一番だ。
こういう事って珍しいといっていいのかも知れない。ポール・ウォーカーの死はこの映画を作っている途中での悲報だったから、公開されるときにはブライアンはこの世界にはいないことを踏まえて作られている。言って見れば、映画のストーリーの中でも、スクリーンのこっち側で見ている観客も、ブライアンとの別れが出来るようになっているのだ。すごく悲しい終わり方だけど同時にすごく幸福であり、愛されるシリーズとしてふさわしい終わり方である。
このシリーズは派手な車と無茶なアクションがメインのため、バカ映画としての側面が有名だろうけど、実は裏に常に「家族」というテーマが流れている。その色はシリーズが進むにつれ濃くなっていき、この「スカイ・ミッション」では子供も生まれたりして、最終的なところまで進んでいる。子供も生まれたし、もうバカできないなあ・・、という「ワイルド・スピード」の世界のギリギリのところまで来ているんだよね。思えばずっと同じキャストで14年間も映画を作っているのだから、実生活でも映画と似たような関係が育ったんじゃないか、とファンは思いたくなる雰囲気があるのだ。なんだか映画と実生活がリンクしたような、ね。ちなみに12日に見たんだけど、この日はくしくもポール・ウォーカーの誕生日だったんだよね・・。