エサ

 なにやらまた牛丼の価格戦争が起きるらしい。僕は牛丼が好きなので安くなることは多いに結構なのだが、あまりにも安くなるとあれは食事ではなく、「エサ」なんじゃないかと思えてくる。どんなに安い収入の人でもそれを食べることで生き抜くことが出来る。ある意味では社会の優しさとも言えるが、それって殺さずに長く活かそうする家畜に使う手と同じである。牛問屋って
券売機→座る→一瞬で商品が出てくる→食べる→出る
と言う流れがあまりにもオートマチックで、本当に優れたオペレーションだと思うんだけど、商品が出てくるのが早ければ早いほどエサ感が増して、複雑な気分になる。カウンターと厨房が繋がっているところも厩舎感をかもし出しているし、僕らが座るあの席はいわば動物園なんだよね。ご飯感がない、とでもいえばいいのかな。
 僕は食事に全くこだわりがないので、平気であのエサを食べることが出来るけど食にこだわりのある人はどう感じているのだろう。なんか牛丼食べたくなってきた。