the last one

 我が家で贔屓にしている西千葉にあるロールケーキのお店。遅い時間だと小さなショウウィンドウに商品が一つもない、ということが良くある。夫婦でやっている小さなお店で、作っている商品の数自体少ないこともあるんだろうけど、全部なくなるわけだから人気もあるのだろう。
 先週の土曜日、仕事帰りに寄ろうかと思いつく。夕方の遅い時間に行っても商品がないことが多いし、運よく何かが残っていたとしても選べないぐらいの選択肢なんだけど、とりあえずチャレンジしてみた。店に入ってすぐにショウウインドウがあるんだけど、残っていたのは最後の一つ。運がいいのか悪いのか、やっぱり選ぶ余地もなくその一つを買って帰ったんだけど、僕が注文をし会計を終え、商品を受けるときにお客さんが入ってきた。僕はなんとも言えない気分になり、なんだか大きな罪悪感を抱えながらまるでに逃げるように店を後にした・・。
 入ってきたお客さんが目にしたのは、おそらく空っぽのショウウインドウ。後に残っていたのはクッキーとかだけで、メインの商品は何一つなかっただろう。誰も悪くないんだけど、なんとなく深い罪悪感を感じた僕であった・・。