実写化

 なにやら2014年は漫画などの実写化が続きそうだ。ちょっと前に発表された「ルパン三世」、またプロジェクトが動き出した「進撃の巨人」、あまちゃんの女の子が主演の「ホットロード」がメインだろうけど、それ以外にも
「TOKYO TRIBE」、「寄生獣」、「パトレイバー」等がある。他にもたくさんあるけど、僕が読んだ事がありなおかつ見てみたいのはこれかな。映画界はどれほどアイディアに枯渇しているんだ!と毎回突っ込む人がいるけど、オリジナルで一から作るよりも、すでに出来上がっている世界観を実写化することの方が大変であり、リスクが高い。権利関係で余分な金も出ていくし、なにかと大変なのである。かわりに、原作があるって事はすでにファンがいるってことで、ある程度の金勘定が出来る事になる。良くも悪くも、このファン達がカギを握るんだよね。こいつらを全員まとめて満足させることが出来れば神業なんだけど、未だかつてそんな実写化がない。
キャストも問題になるしね。誰がベストな不二子ちゃんなのか、という疑問は未来永劫続くんじゃないか?僕は知らないけど、進撃の巨人のミカサって人もそんな感じの敷居の高いキャラなんだよね。この配役も色々とありそうだ。楽しみでもあるけど、不安もあるのが映像化作品。これらの映画はどうなることやら。
 

モンスターズ・ユニバーシティ

 「モンスターズ・インク」の前日譚を描いた「モンスターズ・ユニバーシティ」を遅ればせながら鑑賞。期待していたよりもずっと面白く、尚かつアニメとは思えないぐらいに辛い映画であった。
 ユニバー~は後に「トップ怖がらせ屋」となっていくマイクとサリーの大学時時代を描いている。後に革命を起こし、会社を引っ張っていく二人の事だから楽しい青春時代かと思えばそんな事は全くなく、二人はその逆で全くの落ちこぼれであった。彼らは「怖がらせ屋」に夢憧れ目指すんだけど、全く才能がない。特にマイクは子供の頃から憧れ、血が滲むほどの努力をしてが才能が全くなく、結局は夢を諦める事になっていく。この映画のテーマはズバリ
「なりたい自分と、なれる自分の差」
であり、誰の身にも覚えのある普遍のテーマである。子供の頃から憧れた職業につくとか、子供の頃から抱いた夢を叶える人はそう多くないだろう。というより、それを叶えることが出来るのはほんの一握りの人たち。このユニバ~は真正面からのテーマに向き合っていて(子供も見る映画なのに)、とても好感が持てる。そしてキッチリと真摯で誠実な答えをだしている。
 見ている人たちのほとんどは未来で起きる奇跡を知っているからまだ救われるんだけど、この映画のマイクは何をしても報われないし、上手く行かない。最後には退学にまでなってしまう。でも、それでも彼は持ち前の明るさで努力を続け
「努力を続けても行きたかった場所にはたどり着けないかも知れない。でも努力を続けて見つけたその場所は案外いい所かもよ」
という事を示してくれる。
 努力とか夢とか勝利とか、映画は(特にピクサー作品)こういうテーマを扱うことが多い。ハッピーエンドもそうでないものもあるけど、この映画では難しいテーマを甘く捉える事もなく、逃げずに答えを出している。