浅草

この休みに浅草に初上陸を果たした。驚くほどの人、それも外国人が本当に多くて、期待していた通りの町の姿であった。言わばこれが表の姿で、花屋敷のもっとの奥のほうまで行くとちょっと香ばしいというか、きな臭い町並みもちゃんとあって、非常に楽しかった。看板に「最近多くなっています、気をつけてください。暴力、スリ、娼婦」とあって、笑ってしまった。明るく健全で観光地の奥には必ずちょっと危なそうな色町があるのはお約束。コントラストがあるようで実はない。セットなんだよね、きっと。
12kai_1024768あまり知られていないけど、浅草には凌雲閣と言う、12階建ての塔がかって存在した。日本初の電動式エレベーターが設置されたが関東大震災で崩れ、解体された。当時は12階に展望台があり、中はショッピングセンターになっていたので、言えばスカイツリーや東京タワーみたいなものだったのかな。周りに高層ビルなんてないから、イキナリ大きなものがニョキッと生えていて、下から眺めるのも上に上がって遠くの景色を眺めるのも別格な体験だったにちがいない。
現在では跡形もなく、跡地はパチンコ屋になっていてその前にちょっとしたプレートがあるだけである。当時の凌雲閣のふもとは売春宿や見世物小屋や、怪しげな店ばかり。魔窟のようなところだったのだろう。痕跡がないことはわかっていたけど、それでもその町並みの雰囲気を味わえたかな。当時の浅草の夜を想像しながら歩くのは楽しかった。こういう、歴史に埋もれていったところを訪ねるのって案外面白いかもしれない。