坊主謝罪

僕がお世話になっている美容室の若い子がある日、いきなり坊主になっていた。それまでは格好いい無造作ヘアだったので変化は大きく感じられ、結構なインパクトがあった。。新人というのは大変だなあと思ったのと共に、美容師の世界は案外古風なのか、と意外な感覚を憶えた。
アーケーベーのメンバーが彼氏と外泊をしたために坊主、というどうでもいい話題なんだけど、何かが引っかかる。凄く不健全な感じがするんだよね。坊主にする事でやっちゃった事を認めているってことになるし、坊主にして何になるんだ、という違和感もある。女性、それもアイドルと呼ばれる人がやったものだから、ムダにインパクトがある(気がするんだけど)意味はほぼない、みたいなね。まだ「新人は遅刻したら坊主」という流れのほうが理解出来る。それにしても、彼女で商売をしている人たちはどうするのだろ。これをどう受け止めるのだろ。完璧な演出による壮大な芝居だったらいいんだけど。 気になるのは次の人だよね。次にやらかした人はマユゲ全剃りぐらいやらないと許してもらえないでしょ。

しかし、僕はもってないからアレだけど、バリカンの使い方もなってないよね笑。

ライフ・オブ・パイ

Life_of_Pi_2012_Poster すごく前にも書いたけど、僕はアン・リーの「楽園をください」という映画がすごく好きである。アン・リーの映画に通じているのは集団の中で感じる孤独や疎外感を描いているところで、この「楽園をください」では南北戦争を舞台にそれを描いている。ドイツ人の子孫である主人公と黒人の登場人物が、同じ目的のために戦う味方部隊からも差別を受けたりする。その度に彼らが感じる疎外感みたいなものをすごく丁寧に写しているんだよね・・。

で、今回の「ライブ・オブ・パイ」でも、主人公は名前が変という理由で、クラスメイトからいじめに似た扱いを受ける。彼がいかにそれを克服したかを結構な時間をかけて描写するんだよね。観ながら「さすがアン・リー」と、笑ってしまった。
「ライフ・オブ・パイ」は予告編の印象を裏切る映画である。なかなか漂流しないし笑。そしてメインは「トラとの漂流生活」でもない。メインの話は、彼が何を信じ、観た人達も何を信じているかを試す映画なんだよね。そういう意味ではすごく哲学的な映画である。世の中のレビューや感想は
「美しい映像」、「絶対に3Dで観るべき」
という話ばかり。もちろん、それもそうなんだけど、そうではなく人がどう世の中と立ち向かうか、自分自身と立ち向かうか、という話なんだよね・・。パイが割り切れない数字であるように、人生が上手く収まる訳がなく、小波や大波があったりする。凪の後に嵐もね。すごくいいんだけどなんとも人に説明しにくい、薦め映画である。が、観ておくべき一本であることは間違いない。