近所のレンタル店に行ったときに「踊る大捜査線」の新作が出ているのを見たのだが、ピクリとも興味が沸かなかった。最後に劇場にかかった一本がシリーズの最後を飾る最終作品であることをはし知っていたのだが、その時もまったく惹かれず公開されていることすらも忘れてしまっていた。僕は大ファンといううわけではなかったけど、TVドラマや最初の劇場版は好きで見ていたんだよね。そこまでは良かったんだけど、良くわからないスピンオフな作品が作られたり、常にガッカリさせられるような劇場版が続いてシリーズの魅力はなくなっていった様に思う。特に劇場版におけるレベルの低さは顕著で、ガッカリどころかイライラしていたことを思い出す。
「踊る~」はまた、TV局主導で映画を作って、これでもか!と宣伝を打って、ヒットさせる手法を確立し牽引した作品でもある。ドラマを映画化し、それを宣伝しまくってヒットさせる。良くも悪くもこの手法はあちこちで真似され、TV局が作る色んな映画が生まれていった。ある意味では罪深い作品であるとも言える。
新しいDVDが並んでいるのを見たとき、なんだかなーとちょっと寂しく思ってしまった。悲しいかな、「踊る~」にはちょっとした格式があり、なんていうか、「大規模バジェット大作映画としての踊る~」というのがあるんだよね。僕はそうではなく、もっとこじんまりとした小さな形でもいいから、「男はつらいよ」や「釣りバカ」のように1年に1本作るような、そんな作品として生きつづけてくれればいいのに、なんて思うのだ。大きな事件や派手な映像はいらないから、昔のTVシリーズの様にストーリーで引っ張るような作品のほうが合うと思うんだよね。