セナ、ホンダ、マクラーレン

F1は全くの門外漢の僕。ホンダの復帰の何が凄いのかイマイチわからないし、そこにマクラーレンがくっつくとどんな意味が生まれるのかもわからない。そこにセナの匂いがするのは何と無くわかったけど、もっと言うと、なんで日本人はそれほどセナを愛したのかもわからなかったんだよね。で、ちょっと勉強してみたらなるほどなーと思った。

そんな気はなんとなくしていたけど、F1の世界はオリンピックのそれと同じで、ヨーロッパの貴族社会の延長にある。表には出ないが、有色人種に対するアレコレとがある様で、ブラジル人であるセナも色々と苦しめられたらしい。排他的な世界の中でセナにはレース以外にも戦う相手がいたのだ。セナは差別に立ち向かい、それに勝ったヒーローという側面があるのだ。僕はそれを全く知らなかったが、これでセナの魅力を知った気がする。

セナはまた親日家として知られていたんだよね。F1における日本の存在はどういったものかは分からないけど、同じ有色人種としての想いはどこかにあったのだろうか。

ベッカム引退

2010年にベッカムがアキレス腱を断裂した時、そのまま引退するんじゃないかと思っていた。当時、ベッカムはメジャーリーグサッカーのオフを利用してミランにレンタル移籍をしていた。代表として2010ワールドカップになんとしてでも出場したいという思いからの選択であった。その時のベッカムはすでに34歳、おそらくラストチャンスであった。代表にかける思いが強いのはどのサッカー選手も同じだが、コンディションを保つため、アピールをするためにオフ返上でプレイする選手はどれほどいるのだろうか。が、そんなベッカムの思いとは逆に、W杯の3ヶ月前にアキレス腱を断裂してしまう。復帰はどんなに早くても8ヶ月・・・。日本のサッカーファンの頭の中に
「2002の時、空気カプセル骨折治していたよね?」
「今回もどうにかならないのかな?」
と思った人もいたことだろう。が、怪我はそんなに甘くはなかった。熱望しながらも届かない思い、そして年齢。足も痛いだろうけど、それ以上に心も痛いはず。その時点では現役を続けるよりも、辞める方が自然だったのかも知れないけど、ベッカムはサッカーを諦めずに6ヶ月で復帰しギャラクシー、PSGとプレイし、ついに引退を迎えた。ニュースを見ただけだけど、カラっとした実に爽やかな感じで引退を語っていて、なんだかベッカムらしいと思った。
「先輩達に、その時が来ればわかるよと言われていた。今がその時」
という言い回しも面白い。

僕の世代はみんなベッカムが好きだろうけど、僕もご多分に漏れず好きである。何が好きって、あんなに上手いのに「天才っぽくない」所である。なんていうか、天才プレイヤーに見られるような「良いときはすごいんだけど、ダメな時はいないも同然」みたいな波の好不調がなく、常に真摯に一生懸命走っているそのプレイスタイルがいいんだよね。メディアで報道される派手な私生活やゴシップから想像されるものとは全く違う。右利きであるって所もなんか「普通」で良いんだよね。

ベッカムのことだからメディアは離さないだろうし、今後も露出はありそうだけど何となく寂しい気持ちはあるものだ。今期をもってロベカルやオーウェンも引退するらしい。一時代が終わったかな。