チンクルホイ

 「おやすみプンプン」の最終巻を読んだ。飛び飛びで読んできたし、最初の頃はの方はあまり覚えていないこともあるが、なんとも感想に困る作品であった。簡単にいうと、
「プンプンが様々な事件を通して若者としての自意識や純粋さと決別し、苦さや汚さを含んだ大人へと成長していく」物語、ということになるんだけろうけど、これではこの作品の「あの感じ」を全く説明できないんだよね。これそ説明できればいいんだけど、「あの感じ」を知るためにはとにかく読むしかないんだよね笑。
 若い頃にどうにもならない自意識を抱えて苦しんだことは誰にでもあることだし、大人の汚さに接したときに、名前のない感情が自分の中で生まれることを感じたことは誰にでもある思うけど、この作品ではそれらの瞬間をばっちり描いてくれるんだよね。なので、読みながら今まで自分が感じたけど自分でも良く理解していなかった自分自身の気持ちを把握することができる。
「あの時感じたモヤモヤはこういうことだったのか!」って感じで。そういう意味ではかつては若者だった人々の共通した思いを描いているとも言える。
 とはいえ、漫画だからやはりリアリティラインが僕らの普通の人生からははみ出ているし、だいたいプンプンみたいな奴が周りにいたら友達にならないし、もっというと嫌いになるタイプでもある。後半はかなり鬱な展開だし、すっきりしないけど、それこそ大人になる過程で感じるものと同じなのかも知れない。