クラウド・アトラス

cloud_atlas_ver2_xxlg CLOUD ATLAS
監督:ラナ・ウォシャウスキー 、トム・ティクヴァ 、アンディ・ウォシャウスキー
出演: トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィーヴィング、ジム・スタージェス 、ペ・ドゥナ

1800年代から文明が崩壊した近未来まで、6人の主人公の魂の生まれ変わりを描く、人には説明しにくい映画である笑。時代がバラバラの6人の物語が平行して描かれるんだけど、バラバラなのにいつの間にかつながりを感じてしまうから不思議である。一人の登場人物は時代を経て性別や人種までもを変えていくんだけど、その時代の行動が次の時代のその登場人物に影響しているように思えたんだけど、どうなんだろう。
 面白いところは、6つのストーリーをバラバラにして描くことで、カタルシスや意味合いが生まれてくるところである。たしかのどれもそれだけで一本の映画になりそうなぐらいに魅力的だけど、これは映画ならの魅力で、映画の力を存分に発揮した作品と言える。編集の力ね。全く関係のないバラバラのストーリーなんだけど、同時に描いて互いに絡ませることで不思議なつながりや一体感が生まれる。犬を殺した奴は来世も酷いもんだろうな、とか思っちゃうんだよね。
こういう、繰り替えしの映画って案外あるんだよね。「恋はデジャヴ」や「悪いことしましょ」も、繰り替えすことで魂みたいなものが磨かれ、主人公は人間として正しく変わっていくんだよね。僕はすごく好きなんだけど、人を選ぶ映画でもある。

ほっといてくれ

酔っ払いがフラフラと千鳥足で寿司の折詰をぶら下げて帰宅する描写ってあるよね。漫画やアニメでよく見るあれである。ベタでありながらも一度も目にしたことがない。全くの想像だとは思わないが、実際に見たことのある人は少数なのではないだろうか。泥酔したおっさんが律儀に家族に寿司を買っていくか?と思っていたけど、あれには
「夜遅くまで贅沢をしてしまった罪悪感から来るもので、家族にもいいものを食べさせたい、で、そのいいものはお寿司である」
という庶民のちょっと可愛いらしい発想から来る行動らしいんだよね。昔のお父さん達やよくやっていたそうで、夜中に起こされては普段食べさせてもらえないお寿司を食わされ、何が何だかという体験をした人はたくさんいるみたい。「家族にいいものを食べさせたい」なんて言っているけど、本当はきっと「寿司なら文句言われないだろ」ってことなんだろな笑。
いきなりなんでこんな事を書いたかと言うと、それはあのケイト・モスがデザインした、寿司を持って帰るためのsushi boxが発売されるからである。
a_560x375これがそうなんだけど、まあチョコレートが入っている箱と言われた方がしっくり来るデザインなのだ。ケイト・モスといえば、ある層に宗教のような形で崇められているスーパーモデルで、そんな彼女がデザインしたんだからきっといいものなんだろう。が、このニュースを聞いた時に思ったのは「勝手に何をしてくれているんだ」ってことである。で、そこから酔っ払いがフラフラしながらお寿司を持つ事はあるのか?って事を調べ出したんだけど、意外な事を知る事に繋がったわけだ。まあ、アレを買う人がいるのかどうかわからないけど、文化はどこで広がりどこで伝わるのかがわからないので、ある部分では認めないといけないのかな。