小さな体で

最高の野球青春映画である「がんばれ!ベアーズ」に、体格の小さな選手がより一層体を縮めてフォアボールをもらうシーンがある。その時の相手方のピッチャーは「そんなんじゃストライク入らないよ!」という表情はあっても、「それは卑怯だ!」という表情はない。

僕の認識では体格の小さな選手が体を丸めてストライクゾーンを小さくしてフォアボールを狙うのは常套手段で、チバ選手はそれだけではなくカットしているんだよね。あれだけ当てるのはハッキリいってすごい難しい上、その役割に徹する勇気と意思も必要である。高野連から物言いが入ったらしいけど、どうせ本音は
「試合の時間が延びるからやめてくれ」
であるに違いない。そもそもあの体で花巻のレギュラーなんだよね。もう普通に野球が上手い、ってレベルじゃない。

でも、そう思うと、玉を強く叩いて強いゴロを打って、足を活かして出塁するようなバッティングも目指せるんじゃないか、と言われても仕方がないのも事実。競合チームの中で生き残るための手段だったのかなあ。どっちにしろ、なんとなく後味の悪いニュースになってしまった。

馬鹿にインターネット

若者が馬鹿なことをしてそれを写真にとって、ツイッターにあげるという一連の騒動って、案外面白い話題である。風化してしまいそうだけど出来ればもう少し追いかけたい話題だよね。10代の男が馬鹿なのは、疑いようのない真実である。それは昔も今も同じ。ツイッターがなかった頃の10代の男たちもきっと同じ様なことをしていたと思うけど、運がいいのか悪いのか、現代では世界中に自分の行動を発信し、永遠に記録されるツールがある。今までは知り合いや友達のところで止まっていた話題が大きく広がってしまい、自分がコントロールできる外側にまでその影響は及んでしまう。

という事を考えていたら、実はもっと単純でシンプルなことで「馬鹿のところまでインターネットが浸透しただけのことか・・」という気がしてきた。特に、物心がついた頃にはインターネットがすでにそこにあった世代には、なんの敷居もない日常の延長のものであり、想像する異常に軽い価値観なのかもしれない。このニュースが面白いのはここで、
「大人にとっては大問題」、「若い人にはどうでもいいこと」
というこの価値観の違いだよね。こっちのほうが大きなニュースであり、問題になるべき話題だと思うんだよね。