原子力我が友

反対姿勢を表明してからでないと、どうにも語りにくい原発問題。反対は反対だけど、なくても大丈夫なの?と素朴な疑問を発するにも難しい空気が流れていることは間違いない。仕方のないことでありながらも、一辺倒な世論は怖いなあと思ったりする。
 今では信じられないことだけど、ある時代では原子力を「夢のエネルギー」として持てはやしていた頃があった。原子力推進はアメリカの国策だった頃のことである。その時にプロパガンダ映画を製作して手を貸したのがディズニーなんだよね。それが今回のタイトル「原子力わが友」である。昔この話を聞いてビックリしたのを覚えているんだけど、ウォルトが自ら出演して「海底二万マイル」のノーチラス号の模型を使いながら原子力とは何かを説明している映画なのだ。(TV番組かも)。話には聞いてたけど観たことはなかったし、どうせないってことになっているんだろうなあと思っていたけど、普通にyoutubeに上がっていた。すごい時代だ。
 とにかくメディアや政策が原子力が推し進め、夢のエネルギーというイメージを作り、「原子力最高」という世論を作り、原発を作って、それが世界に広がって、日本にも原発が出来たわけだ。当時は、今とは全く真逆の方向に向いた世論があったのだろう。当時の社会のことは知らないが、今と同じように一辺倒な世論だったのなら、なんとなく気持ち悪い。
 というわけで、今正しいとされている物事も時間が経てばどうなるか分からないとも言える。携帯電話も、IPS細胞も、風向きが変わればその価値も変わる。周りに流されずに何が正しいかを見極めることは大事なのは当たり前だが、そう簡単なことではない。